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【更年期】更年期の不調と仕事について「自分自身も周囲も不調について理解して」医学博士・有馬牧子先生に聞きました

執筆者:GLOW編集部

職場で「今、更年期の不調があって」と言えたらいいけれど、仕事への影響などを考えると言い出しにくい……。更年期と仕事に関する調査を行った有馬先生に、働きやすい環境にするためにできることを聞きました。


更年期の不調で仕事を続けるか悩んでいる女性も少なくない

2021年にNHKと共同で行った調査によると、更年期の不調を原因に仕事を辞めることを考えた人は2割。実際に辞めた人は1割もいます。辞めるに至らなかった人の中には休職した、降格を申し出た、勤務時間を減らした、配置を換えてもらったという人もいます。

更年期症状は多様であり、体と心の症状が原因となって「仕事を続ける自信がない」等のキャリア継続の問題や、パフォーマンスの低下に影響を与えることがわかっています。更年期症状が仕事に影響を及ぼすことは「更年期ロス」とも呼ばれており、更年期と仕事との両立に悩む女性が多いことが考えられます。 

更年期にいる世代は団塊ジュニアと呼ばれる人口比率の大きい世代でもあるので、更年期を理由に離職することは、むしろ企業にとっては大きな経済損失。更年期の不調があっても会社を辞めずに活躍できるような支援制度や、風土を作ることは社会更年期と働き方の問題は男女共通の課題です!

ひとりで抱え込まず、職場に理解してもらうこと、職場も理解することが大切

更年期は女性だけの問題ではありません。男性も40代半ばから男性ホルモンの低下により、更年期のような症状が見られる場合がありますが、生殖機能が停止する女性の「閉経」のような明確な目安がないため、症状を見落としがちな傾向に。男性更年期の認知も認識も低いのですが、更年期で悩む男性は女性と同じくらい多いこともわかっています。更年期の問題は男女に共通する課題なのです。 

更年期による不調で仕事に支障がある、周囲に迷惑をかけてしまうと感じるなら職場の人に伝えることが大事。「体調が悪い」というだけでもかまいません。誰でも病気やケガ、出産・育児や親の介護などで休む、遅刻・早退をすることもあるのですから〝お互いさま〞の意識を持つことが大事です。職場で更年期について話すためのきっかけとして、更年期指数(男性にはAMSスコア、女性にはSMIスコア)のチェックシートを「試してみて!」と配るのもいいかもしれません。男女で話し合えることが大切です。

有馬先生 更年期と仕事

昭和大学医学部 医学教育学講座 講師
有馬牧子さん

NPO女性の健康とメノポーズ協会の理事も務め、NHKと共同で「更年期と仕事に関する調査2021」を行う。働く女性の更年期問題に詳しく、登壇も多数。第7回更年期と加齢のヘルスケア学会学術奨励賞受賞。


※雑誌GLOW2023年3月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。

この記事を書いた人

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