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【映画】慈愛の人、ヒュー・ジャックマンが子育て・救いを見せる 3/17公開『The Son/息子』【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

執筆者:伊藤さとり

映画「The Son/息子」

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。今回は3月17日公開の『The Son/息子』。ヒュー・ジャックマンが脚本に惹かれ、不安定なティーンの息子と向き合う物語。


問題を持つ息子とどう対峙するか、
ヒュー・ジャックマンの救いの映画

我が子の変化に気づいた時、親はどう対応すれば良いのか? これは永遠のテーマであり、正解のない問題です。最善を尽くしたはずなのに、上手く行くと思ったのに、逆に諦めかけていたら改善された、など様々な声が世界に溢れています。そんな「子育て」に関する難題に『グレイテスト・ショーマン』(2017年)のヒュー・ジャックマンが挑んだ映画『The Son/息子』。こうもグイグイと物語に引き寄せられ、共に解決策を探していこうと考えを巡らされるとは。では一体、どんな状況なのか解説していきましょう。

映画「The Son/息子」ヒュージャックマン

主人公は弁護士のピーター(ヒュー・ジャックマン)。彼は再婚した妻(ヴァネッサ・カービー)との間に子供が生まれたばかりで幸せを噛み締めている最中、前妻(ローラ・ダーン)から17歳の息子ニコラス(ゼン・マクグラス)との不仲を告白され、息子からの希望で一緒に暮らして欲しいと言われるのです。その話し合いによりピーター家に加わったニコラスでしたが、学校へ行けなかったりと、精神的に不安定であることが分かりはじめます。

『ファーザー』(2020年)でアカデミー賞脚色賞を授賞したフロリアン・ゼレール監督の脚本に惚れ込んだヒュー・ジャックマンがプロデューサーも兼ねた本作。実は『ファーザー』でアカデミー賞主演男優賞を授賞したアンソニー・ホプキンスがヒュー・ジャックマン扮するピーターの父親を演じているのも注目。子育てとは自分の親との関係も影響を及ぼすと言われていますが、果たして本当にそうなのか? そこもまた興味深い点です。ではどうすれば苦しんでいる最愛の人(我が子)を救えるのか? 更にその苦しみから救おうとしている人たちの心を誰が癒せるのか? 彼らを助けるにはカウンセラーや精神科医の力だけで足りるのか? それぞれの決断に「それでいいの?」と疑問を持ちながら「自分だったらどうする?」と考えてしまう本作には、ヒューや監督が多くの人を救済したいという熱い思いが詰まっていました。

映画「The Son/息子」アンソニーホプキンス


3/17(金)全国ロードショー
『The Son/息子』

映画「The Son/息子」

【あらすじ】ニューヨークで一流弁護士として活躍するピーター(ヒュー・ジャックマン)は、妻のベス(ヴァネッサ・カービー)と生まれたばかりの息子と3人で幸せな日々を送っていた。そんな中、元妻のケイト(ローラ・ダーン)が突然、訪ねてくる。彼女との間の17歳になる息子のニコラス(ゼン・マクグラス)が、ひと月近く登校していないという。ピーターはニコラスに会いに行くと約束し、母親に憎しみの目を向け一緒に暮らせないというニコラスを預かることにする。共に暮らし始めるがニコラスは自傷行為をしていた。たしなめると父親として夫として非難されてしまう。実はピーターも自身の父親(アンソニー・ホプキンス)に母親や子育てについて感じることがあり、ある日非難するが逆に一喝される。悩ましい状況の中事件が起きる。

2022/イギリス・フランス/123分
監督・脚本・原作戯曲・製作:フロリアン・ゼレール 『ファーザー』
出演:ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、ヴァネッサ・カービー、ゼン・マクグラス、アンソニー・ホプキンス
共同脚本:クリストファー・ハンプトン  製作総指揮:ヒュー・ジャックマン

配給:キノフィルムズ  提供:木下グループ

© THE SON FILMS LIMITED AND CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2022 ALL RIGHTS RESERVED.

この記事を書いた人

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー 伊藤さとり

映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

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邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。12月に新著は『映画のセリフで心をチャージ 愛の告白100選』(KADOKAWA)。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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