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ガマンは禁物!婦人科系の病気と更年期障害【ヴィーナス期の気になる病気①】

ヴィーナス期のガマンは禁物!違和感を感じたら『検診・検査』が早期発見のカギ!産婦人科専門医 宮益坂メリーレディースクリニック院長の長岡美樹先生にお話をうかがいました。
※GLOW世代特有の体の変化期である更年期を「ヴィーナス期」と名付けています。

気になる不調は放っておかないのが鉄則!


読者に気になる婦人科系の病気を聞いたところ、半数以上が「乳がん」と回答しました。

「乳がんは10人にひとりがかかるといわれていますから納得の結果ですね。でも気になっていても実際に乳がん検診を受ける人は少ないのではないでしょうか。検査の機械もみるみる進化しているので、検査を受けさえすれば今よりももっと小さながんを見つけられるのにと残念に思います。私がGLOW世代で受けていただきたい検診に優先順位をつけるなら乳がんは最上位。次は経膣エコーでの子宮と卵巣の検査ですね。子宮体部と卵巣は直接見ることはできないので膣から器具を挿入して超音波で診ます。自覚症状がないこともあるのでぜひチェックしてほしいですね。」(長岡先生)

アンケートの3位と4位は子宮の2つのがん。これも検診で解決できますか?

子宮頸がんは細いブラシで細胞をこすりつけるだけのとても簡単な検査で済みますし、リラックスして受ければ早く終わります。子宮体がんは子宮口から細いブラシを入れて細胞を採取するので、出産経験がない人は痛みを感じることもありますが、50才を超えたら受けていただきたい検査です。子宮頸がんはワクチン接種をするのが理想的ですが、GLOW世代では既にHPVウイルスに感染していることもありますので少しややこしいですね。女のお子さんがいるならぜひワクチン接種をおすすめしたいです。」(長岡先生)

5位の子宮筋腫はすでに持っている人も多いようです。

「実際に子宮筋腫がある人は多いですし、筋腫があっても小さいとか数が少なければ大した症状もなく更年期に突入して、閉経すると小さくなるということもあります。ですが、経血量が多いとかお腹が痛む、貧血など辛い症状があるなら閉経を待たずに治療すると楽になります。貧血になるとうつになりやすいし、体力もなくなるからだるくて仕事が進まない、頑張ろうと思っても頑張れなくて仕事で損をしてしまうこともあると思います。」(長岡先生)

「ヴィーナス期は誰もが通る道。ホルモン量が変化することで症状が出るのも自然なこと。でも病気じゃないからと決めつけてガマンだけはしないでいただきたいです。」(長岡先生)


ヴィーナス期の最大課題「更年期障害」対策

閉経を挟んだ前後5年を合わせた10年がヴィーナス期で、女性ホルモンの減少の伴って心や体に表れる様ざまな不調が更年期障害です。けれど、更年期障害は誰にも必ず起きるものではありません。不調を感じない人もいれば、症状、不調の度合いや辛い期間も人それぞれです。自分が大したことないと思えば受診する必要はありませんが、辛すぎる、少し楽になりたいと感じたら遠慮しないで医師に頼ってください。話を聞いてもらうだけで気持ちが楽になることもあるし、症状を改善するサプリメントなども紹介できます。また、更年期障害と似た意見も見分けられます。不調をすべてヴィーナス期のせいにしていると大きな病気を見逃してしまうこともありますからガマンを重ねないでください。

閉経前の方が症状が出やすい

ホットフラッシュや関節痛、気持ちが落ち込むなどの症状はホルモンが減ることに体が対応できずにいる閉経前に起きることが多い。閉経後は体が慣れて症状は軽くなる。


取材・文=黒川ともこ 取材協力=長岡美樹先生(宮益坂メリーレディースクリニック)※GLOW2021年11月号より。情報は雑誌掲載時のものになります。

GLOW編集部所属の女の子。ホルモンバランスや体型の変化など、様ざまなお悩みを抱えがちなヴィーナス期(更年期)の女性が知りたがっていることや疑問をリサーチしている。

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