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女性としての生き方もファッションにも注目。10/14公開 映画『スペンサー ダイアナの決意』【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。毎週水曜日更新なので、水曜日や週末の予定に加えてみてください!


1991年、別居前のクリスマス前後、
不安定な頃のダイアナを描く

実在する人物の劇映画を製作するって、ハードルが高い。

だって本人の寛大さや周囲の意見も影響を及ぼすので、大抵は没後に映画化されるんです。そう考えると世界を魅了した女性の中では、マリリン・モンローは何度も映画化されている一人ですが、ダイアナ元妃も忘れてはいけませんよ。まず、ヘレン・ミレンがエリザベス女王を演じた『クィーン』(06)では、1997年8月31日にダイアナ元妃が交通事故で亡くなったものの、公式声明文をなかなか出さなかったエリザベス女王の姿を映し出しています。その後、ナオミ・ワッツがダイアナを演じた『ダイアナ』(13)では、交通事故で亡くなった際、乗車していたドディ・アルファイドの前に付き合っていた医師との関係が描かれています。しかも今年は、ダイアナ元妃の没後25年!というのでドキュメンタリー映画『プリンセス・ダイアナ』が公開中なんです。

そして10月14日には本年度アカデミー賞主演女優賞にクリステン・スチュワート(『トワイライト』シリーズ)がノミネートされた『スペンサー ダイアナの決意』が遂に公開されます! 今回、描かれるのは1991年のクリスマス前後の3日間、場所はエリザベス女王の私邸というんだから女王も愛犬をわんさか引き連れて登場。でもなんで交通事故の年ではなく、この期間を映画にしたのよ?と首を傾げたいところですが、そこはしっかり理由があって、夫のチャールズ皇太子と不仲(カミラと浮気発覚)の状況で、1992年に別居をする前の年なので、多分、ダイアナが一番不安定な時期、まさに人生において大きな決断をするタイミングということになります。

これがまた儚げで可憐な花のようなのに、王室の人形にならないようにと反旗を翻す姿もかっこいいダイアナ・“スペンサー(旧姓)”。映画では王室のしきたりを重んじることを強制され、クリスマスパーティの前に体重を測り、帰りまでに1キロ太るのが慣しというシーンまであるんだからビックリ。更に服も自由に選べない状況の中、あえて真っ赤な服を自ら選んだりと、チャールズ皇太子の慎ましやかな“女房”ではなく、そこはひとりの女性として見られたかったのではと推測…。

またこの衣装が当時、テレビで見たファッションアイコン・ダイアナ妃そのもの。これを手掛けたのは『アンナ・カレーニナ』(12)『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』(19)で2度アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞しているジャクリーン・デュランで、あのダイアナカットを劇中で再現したのは、ヘアメイクデザイナー吉原若菜という日本人なのが嬉しいっ。他にも耳に残る音楽を手がけるのは英ロックバンド「レディオヘッド」のギタリストで何度もアカデミー賞作曲賞にノミネートされるジョニー・グリーンウッド。そして監督は、ジャクリーン・ケネディの物語『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(16)のパブロ・ララインというんだから、これだけで一流が集まったお仕事なんだと分かるはず。その画は思わずため息が漏れるほど美しく、心の内を探るような切なくも実話に基づく寓話でありました。特にシャネルのオートクチュールのイブニングドレスに身を包んだダイアナ演じるクリスティンのモチ肌にはうっとり。この映画は特に女性達に観て欲しい、だって自立の瞬間を捉えた映画なんだから。


スペンサー ダイアナの決意

【あらすじ】
1991 年のクリスマス。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係はもう既に冷え切っていた。不倫や離婚の噂が飛び交う中、クリスマスを祝う王族が集まったエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウス。ダイアナ以外の誰もが平穏を取り繕い、何事もなかったかのように過ごしている。息子たちとのひと時を除いて、ダイアナが自分らしくいられる時間はどこにもなかった。ディナーも、教会での礼拝も、常に誰かに見られている。彼女の精神はすでに限界に達していた。追い詰められたダイアナは、生まれ育った故郷サンドリンガムで、今後の人生を決める一大決心をする――。

10 月 14 日(金)、TOHO シネマズ 日比谷ほか全国ロードショー

2021/イギリス・ドイツ合作/117分
監督:パブロ・ラライン(『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』 )
主演:クリステン・スチュワート(『トワイライト』シリーズ、『チャーリーズ・エンジェル』) ジャック・ファーシング(「風の勇士 ポルダーク」)、ティモシー・スポール(『英国王のスピーチ』)、サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)、ショーン・ハリス(『ミッション:インポッシブル/フォールアウト』)

配給: STAR CHANNEL MOVIES  後援:ブリティッシュ・カウンシル 読売新聞社
© 2021 KOMPLIZEN SPENCER GmbH & SPENCER PRODUCTIONS LIMITED

伊藤さとり映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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