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時間軸からの脱出のドキドキを味わう 映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』【伊藤さとりのシネマでぷる肌‼】

映画パーソナリティ・心理カウンセラーの伊藤さとりさんが、お肌も心もぷるっと潤う映画を紹介する連載。毎週水曜日更新なので、水曜日や週末の予定に加えてみてください!


どこにでもあるオフィスを舞台にした、
笑いあり、謎解きありのタイムループもの

裏切られるのが爽快! そう、予測を裏切ってくれる映画は私に至福の時間をプレゼントしてくれる。そんな映画に初めて出会ったのは原田知世主演の『時をかける少女』(1983年)で、洋画では『恋はデジャ・ブ』(1993年)だったっけ。要は“同じ日を繰り返す”という摩訶不思議な体験を主人公がするというもの。

一体、どうしたら囚われた時間から脱出できるのか? この仕掛けはホラー映画と相性が良く『ハッピー・デス・デイ』なんかは、何度も殺される日に戻ってしまうタイムループ映画でした。それを今までとは違ったアプローチで群像劇のように展開させ、笑いを交えて爽快な謎解き映画として完成させたのが『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』なのです。

物語の主人公は、広告代理店に務める朱海(円井わん)。オフィスの窓に鳩が衝突した月曜日、いつものように仕事に追われる朝を迎えるものの、後輩2人が突然、驚くべきことを口にします。「僕たち、同じ一週間を繰り返しています」。半信半疑だった朱海も、彼らが次々とこの後起こることを言い当てるので、ことの重大さにやっと気づくのですが、彼らによるとタイムループの鍵を握っているのは永久部長(マキタスポーツ)だと言うのです……。

監督は、ある中学校の1クラスにインタビューした青春リアリティ映画『14歳の栞』(2021年)が異例の拡大公開となった竹林亮。実はこの監督、国内外で5000万回以上再生されたYouTuber/Artistのあさぎーにょ主演によるYouTube短編「ハロー!ブランニューワールド」(2019年)の監督。しかもこちらも熱海を舞台にしたタイムループもので、脚本を務めるのが今作でもタッグを組んだ夏生さえりという、最強コンビ。お二人とも映画が好きで、劇中、『恋はデジャ・ブ』はもちろん、『ハッピー・デス・デイ』『オール・ユー・ニード・イズ・キル』などのタイムループ映画のタイトルが飛び出します。

とにかく今までのタイムループものと違うのは、主人公だけが問題を変えようと行動するのではなく、コメディらしく個性的なキャラクターをオフィスに散りばめ、彼らを巻き込んで問題解決に挑むという展開。更にほとんどのシーンがオフィス内で、同じ登場人物達が会話するシチュエーションなのに全く飽きないのは、演技はもちろん、様々なサウンドをテンポ良くミックスした劇伴の力も。それこそオフィスには世代も性別も異なる人々が共存しているので、彼らの心を掴むにはアプローチの仕方も違う! その努力にまさかの涙まで溢れそうになる怒涛の82分。まさに何度でも観たくなる脳内ループ映画は、高揚感でお肌を活性化させますよ。


『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』

【あらすじ】
休みなく働いていた吉川朱海は、バンッと鳩が窓にぶつかってきた月曜の朝、後輩2人組から「僕たち、同じ一週間を繰り返しています! このタイムループのことを、夢の出来事だと思って忘れないために“意識”を変える合図を覚えてください。“鳩”です…」と告げられる。翌日の月曜日もバンッ!!!と鳩が窓にぶつかる大きな音を聞き、朱海は先週と同じことに気づく。
オフィス内で起こる、同じ出来事、同じ発言、そして同じ仕事。後輩の言うとおり、同じ1週間を繰り返している……。しかしそのことに気づいているのは、朱海と後輩たちの3人だけ。タイムループ脱出の鍵を握るのは、永久部長(マキタスポーツ)、その部長に、タイムループしている事実に気づかせなくてはいけない。絶望の月曜日を迎える日々を、社員全員のチームプレイで無事脱出することはできるのか!?

東京・渋谷シネクイント、大阪・TOHOシネマズ梅田、名古屋・センチュリーシネマ先行公開中!
10.28(金)より全国にて順次公開

2022/日本/82分

監督:竹林 亮  脚本:竹林 亮、夏生さえり 編集:小林譲 作曲:大木嵩雄 
出演:円井わん マキタスポーツ 長村航希 三河悠冴 八木光太郎 髙野春樹 島田桃依 池田良 しゅはまはるみ
主題歌:lyrical school「WORLD’S END」(BOOTROCK Inc.)

企画・製作:CHOCOLATE Inc.
配給:PARCO

伊藤さとり映画評論・映画パーソナリティ・心理カウンセラー

邦画、洋画問わず年間500本以上の映画を鑑賞。映画舞台挨拶や完成披露会見等のMCを数多く担当している。また、心理学的な視点からも映画を解説。「ぴあ」、「otocoto」でのコラム連載や、YouTube「新・伊藤さとりと映画な仲間たち」、「めざましテレビ」「ひるおび」での映画コーナー等、幅広いメディアで映画を紹介。映画と、映画に関わる全ての人々を愛してやまない映画人。

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